省エネ空調機、実は大うそ…規則の抜け穴をかいくぐり販売

2011年9月
中国で、家庭用としては認められない電力効率が悪い空調機が、
家電量販店などで一般消費者向けに売られていることが分った。
大手メーカーの美的製で、販売員が「省エネタイプです」と説明したとして、
購入者が訴訟を起こす例も発生している。中国新聞社が報じた。

中国政府は空調機をエネルギー効率にもとづいて分類し、
2010年6月には
「家庭用空調機」については「3級以上の製品しか販売できない」との規則を施行した。
しかし美的が「商業用」の名目で生産した電力効率が悪い空調機が、
一般市民が多く利用する家電量販店などで販売されている。
空調機の省エネ性を定めた規則が販売場所に制限を設けていないという、
「抜け穴」を利用したものという。

店員が「省エネタイプです」と説明する場合があるため、
購入者との間にトラブルが発生している。

広東省深セン市では、
購入者が「美的は、一般消費者向けに販売できないエアコンを量販店で販売していた。
規則違反だ」として訴訟を起こした。

福建省泉州でも同様のトラブルが発生したが、購入者と美的は和解したという。
和解内容は明らかにされていない。

美的はシェア率向上などによる経営規模拡大と利益率の向上を経営目標としている。
2011年上半期(1-6月)の実績で、
売上高は前年同期比58.97%増の620億3700万元で、
うち空調機と関連部品は売上高全体の68.53%を占める425億元だった。
しかし、同期の純利益は19億7500万元で前年同期比で13.64%しか伸びていない。

省エネ性能で1級に認められた空調機の価格は、
美的が量販店などを通じて販売している「5級」の製品の2倍程度だ。
美的は経営目標に「高付加価値商品への注力」を掲げながら
性能の劣る商品を“強引に”販売し、利益率も向上させられないでいる格好だ。

美的は利益の伸び悩みを「レアアース価格の上昇で、コストが上昇したため」と説明した。
美的製の空調機は、中国の他のメーカーの空調機と同様、爆発事故も起こしているとされる。
ただし、美的は責任を否定したため訴訟も起きた。

美的製品ではその他にも
冷蔵庫、電子レンジ、電磁調理器、電気式圧力鍋などで爆発が伝えられている。

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